●WRF理事長 深野(以下、WRF)
本日はよろしくお願いします。
まず、御社と、御社の3D分野に関しての取り組み、製品についてお聞かせください。 ■エヌテクノロジー株式会社(以下、エヌテク)
はじめまして、荒井と申します。よろしくお願いします。
弊社は、工業製品の意匠デザインの可視化ソフトとして「nStyler:エヌスタイラー」と「nComm:エヌコム」いう商品の開発と販売をしている企業です。
nStylerは、意匠デザインの可視化業務だけでなく、モック製作の削減や手戻り減少によるリードタイムの短縮、カラー評価の効率化などにおいて高い評価を受けており、自動車・家電・事務機・情報機器・娯楽機器など様々な企業のお客様にご利用頂いております。
3次元分野への取り組みということでは、3次元分野に特化することが全てとは考えていません。意匠デザインの可視化に3次元技術が有効なのであって万能ではありませんから。3次元分野に注力するというよりも、商品の可視化(表現手段)、告知・認知(=広告?)に注目しています。但し、3次元技術はかなり有効な手段として捕らえています。
(右の画像:インタビューさせていただいた、荒井社長(左))
●WRF
御社の製品の「ここがすごい!」をお聞かせください。
●エヌテク
「質感と手軽さ」ですね。
質感表現は素材特性と影・陰影、そして反射特性が重要な要素だと思うのですが、これらの特性をできるだけ忠実に計算しています。
例えば、車のボディの場合、メタリック塗装されているので、素材特性として、物体表面、塗料(フレーク)、表面層がコーティングという三層のモデルで定義し、さらに反射や映り込みや影を考慮します。
反射表現は鏡面反射と拡散反射パラメータによりハイライトラインなどをコントロールすることができます。同様に映りこみのパラメータを操作することで光沢表現も容易に表現できます。
下図はnStylerのスナップショットですが、背景に3次元モデルを調和させるために、背景画像に影を出すことや、それぞれ独立してガンマ値と露出をコントロールすることも可能です。
これらのパラメータ処理をリアルタイムに行うことができるので、簡単に質感設定ができます。
さらに、微妙な陰影やライティングを表現するために、IBL(Image Based Lighting)技術やHDRI(High Dynamic Range
Image)技術を実装しています。
現実的な照明環境のもとでの映りこみや光沢及び微妙な陰影などを高いダイナミックレンジ(HDRI)で表現し、現実的な質感で造形・意匠を浮び上がらせます。360度パノラマ・バーチャルスタジオの中でレンダリングすることで、造形・意匠評価のためのデジタルモックアップを目の当たりにすることができます。IBL技術によるバーチャル・スタジオを使えば場違いの反射を心配して照明の配置に苦労する必要はありません。だから、今までのような専門知識は不要になり、誰でも3DCGを使いこなすことができるようになります。
●WRF
いままでの製品で工業デザイン分野でのシェアをお持ちですが、なぜ、ここでWeb3Dビューワー、ツールの開発を開始したのでしょうか?
●エヌテク
もともと「一般の人がいつでも使うソフトを製品化したい。そして世の中に広めたい」という思いがあります。
一方、「エヌテクノロジー株式会社の使命は、エヌテクノロジー社の独自技術により、あらゆる商品をデジタル化し、どこからでもアクセス可能で有益な3次元データにすること」です。当社のレンダリング技術をWeb3Dに適用すれば、結構な商品紹介ツールになるかな、と。つまり、従来、デザイン部や設計部で死んでいる3次元データをWeb3Dによって「有益化」できるのでは、と。
さらに、インターネット広告市場が急拡大している現状があります。
これらの状況から、「Web系ビジネスは当社のビジョンと使命の具体化であり、Web市場の急拡大は2006年~2010年ごろまでだろう」と判断し、Webへのビジネス展開は今がチャンスであり、今が絶好のタイミングだと、考えました。
●WRF
まだα版ということですが、今後の開発ロードマップと、価格についてお聞かせください。
●エヌテク
Web系商品は2006年6月末に商品としてリリースを開始する計画です。その後、2回/年のバージョンアップをしながら、工業製品だけでなく化粧品や衣類及び日用品も扱えるレンダリング技術(質感表現力)をリリースする予定です。
また、弊社では「意匠だけでなく、音や動きも含めて」質感と定義しています。2007年には、重力や摩擦、反発や変形などの運動も自然に計算できる物理エンジンを実装していく予定です。(物理エンジンの基礎技術はすでに保有しています)
とにかく、あらゆる商品をデジタル化し、どこからでもアクセス可能で有益な3次元データにすること、この使命を実行していきます。
価格は、まだ公表できません。
価格を決める上では「個人~大企業まで無理なく利用できること」、「ご利用頂いたお客様が利益を出せる価格」を目標にしています。
企業の場合を考えると・・・
弊社の場合、企業のデザイン部で意匠デザインの可視化ソフトとして「nStyler」をご利用頂いてます。このソフトからWeb3Dコンテンツをアウトプットできるようになります。大手企業の場合、開発期間の削減のために新モデルの共有化を図りますが、このために企画やデザインの開発段階で、イントラネットでWeb3Dを利用できます。
また、中小企業の場合にはWeb系コンテンツの制作業務をデザイン部が担当している場合があります。
従って、弊社の製品群をお使い頂く事で(企業は)製品の量産化が始まると同時に,意匠デザインの開発段階で利用したコンテンツを使ってインターネット上で告知・認知ができるようになります。(世で言う中抜き)
つまり、「従来デザイン部や設計部で死んでいる3次元データ」をすぐにWeb3Dで活用できるようになるので、コンテンツ制作コストはかなり低減できることになります。これがシームレスに実現できるように商品開発を進めています。
企業向けには、このようなベネフィットを考慮して価格を決めていく考えです。
一方、小企業や個人事業者の場合には、今話したようにはいきません。中抜きというベネフィットだけでなく、手軽にコンテンツを制作できるツールを商品化すると同時にお客様の売上に見合うコストで運営できる価格にしたいと思っています。
いづれにしても価格の発表はもう少し時間をください。
●WRF
今のお話では結構な開発ボリュームと思われますが、何人で開発を進めているのですか?
●エヌテク
開発者は4人、コンテンツ担当1名です。
確かに開発者が足りないのが現状です。現在、開発者を募集中ですが、2006年中には開発部隊を12人程度にして開発に弾みをつけたいと考えてます。
もし、読者の方で「オレにやらせろ!」という方がいらしたら連絡頂ければと思います。いつでもお待ちしてます。(笑い)
(右の画像:同社スタッフの皆さん)
●WRF
ちゃっかり人材募集ですか。皆さんお若いようですが。でも、このオフィスに入りきれなくなりますね。
●エヌテク
はい、その通りです、5月に引越予定です。
開発者は平均27~8歳くらいですかね、最新技術の吸収力や若い感性には脅かされます。
●WRF
増員して、今後のリリースが楽しみですね。最後に御社の目指すべく方向についてお聞かせいただけますでしょうか?
●エヌテク
先程と重複するかもしれませんが「あらゆる商品をデジタル化し、どこからでもアクセス可能で有益な3次元データにすること」これが当社の使命です。
また、商品のデジタル化コストを低減することも必要です。必ずしも商品は3次元CADデータ化されているわけではありませんので(洋服や日用品がこの例ですが)このような商品も扱えるようにしていきたいです。
制作コスト低減という意味では、さらに、Web3d市場だけをターゲットにするのではく、デザイン部とインターネット広告(カタログ)の両市場を見据えることこそが、当社の存在意義と思っています。データを一気通貫で扱えるようにできますから。
デジタル化された商品は、誰でもアクセスできるようにし、どこからでもアクセスできるようにすればするほど有益化します。
将来、誰でも、どこからでもアクセスできるようになって、「どこの家でも我々の製品(Web3Dコンポーネント)が使われている」、そんな光景になれたらいいなぁ、と思っています。
(右の画像:正式リリースに向け、エンジニアスタッフの挑戦は続く)
●WRF
本日はありがとうございました。
●エヌテク
こちらこそ、ありがとうございました。
(右の画像:曲面を使った同社のオーサリングツール。拡大してもポリゴンが出ない!)
◆エヌテクノロジー株式会社
http://www.ntechnology.co.jp/
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